美しいものを味わい表現する人
心地が良いなと思う空間には、少しぼんやりとした空気が漂っている。
空で言えば、クッキリとした青ではなく、少し黄色みがかったノスタルジックな青。
会話で言えば、ストレートでシンプルな表現ではなく、少し間を置くような
心配りを感じさせる表現。
ストレートでシンプルな表現は、時として目が覚めるような快感さえ覚えるが、
こと人間関係においては、そのシンプルさは諸刃の剣ともなる。
とりわけ、絵画、音楽、写真など、美しいものに魅了され、味わい、
表現する人には、心根の優しい人が多い気がする。
黄色みがかったようなソフトな印象を持つ人だ。
かつて、子供の小学校で絵本の読み聞かせボランティアをしていた時、
そこに集まるママたち、パパたちはなぜかみな優しかった。
まず目が優しい。
そして、関わり合い方に間(ま)があるのだ。
受容の空気と言えばよいのか、相手を最初から受け入れる余裕みたいなものがある。
気の利いた言葉を持ち合わせていなくても、ただ存在を喜んでもらえるような。
そんな「間」を感じた時に、心が開いていくのだと思う。
心理カウンセラーは、クライアントの無意識を意識化すべく、言葉で表現し整理していく。
だがその前に、その人そのものを受け入れる、つまり「間」があるかどうか。
クッキリとしたものと、ぼんやりとしたものとの間を行き来できるような空気のような
風のような存在であれたら。
そんなことを考える2月14日。